木曽郡内バス再編 広域運行案 主要路線 幹線4本に集約 木曽町福島中心に 北部・南部・西部・開田の各線

令和7年度の実証運行に向けた木曽郡内を走る路線バスの広域的な運行への再編計画で、運行の指針となる「木曽地域公共交通計画」の素案が22日、明らかになった。各町村が運行している主要路線を、病院やスーパーマーケットなどの主要施設が集まる木曽町福島を中心にして、国道19号とその沿線地域を走る「北部幹線」と「南部幹線」、御嶽山麓の木曽町三岳・王滝村方面を走る「西部幹線」、木曽町開田高原方面を走る「開田幹線」の4本に集約する。
素案によると、幹線4本は各町村役場・支所や駅、学校などを結ぶ。北部幹線は木曽町福島―木祖村間、南部幹線は木曽町福島―南木曽町間で岐阜県中津川市坂下地区まで一部延長する。
幹線以外は支線として各町村がコミュニティーバスや乗り合いタクシーなどを運行する計画だ。それらを含めた全体の具体的な区間やルート、停留所、運賃、ダイヤなどは、新年度に策定する「木曽地域公共交通利便増進実施計画」にまとめられる。
郡内を走る路線バスの幹線の広域運行化には、深刻なバス運転手不足が背景にある。各町村が運行する重複路線を解消して効率的な運行体制を整えながら、通院・通学・買い物といった住民の足を確保・維持したい考えだ。リニア中央新幹線の開業も見据えて、将来的に観光・ビジネスにも対応できるようにする。
木曽町福島の県木曽合同庁舎で同日開かれた木曽地域公共交通活性化協議会(会長・貴舟豊大桑村長)の会合で素案が示された。2月中に素案に対する意見を幅広く募り、3月にも開かれる次回会合での協議を経て木曽地域公共交通計画が策定される。
会合では「通院・通学はもちろん、旧中山道の峠越えをする外国人の誘客も踏まえて、塩尻・松本方面へのアクセスの確保を考えてほしい」「電車に乗り遅れた高校生の代替手段として、定期券提示でバスに乗車できるようにできないか」などといった意見が上がった。