夫婦で消防団、地域を守る 松本市消防団の第2分団

松本市消防団の第2分団(大手)に夫婦で入団し、活動する若者がいる。会社員の鈴木佳祐さん(29)=沢村3=と由佳さん(36)夫妻だ。家族のような分団員に囲まれながら、地域の安全・安心を守っている。
2人が所属する第2分団の主な活動は、火災など災害時の出動や、毎月15日の市民防火の日の夜に行う警戒、月1回の訓練などだ。23人が所属していて、警戒や訓練には、その日都合がつく団員が出て活動に当たる。夫婦には4歳の息子・颯泰ちゃんがいるが、由佳さんは「それぞれがやれることをやって活動しているので、家庭や仕事と両立できる」と話す。
最初に入団したのは由佳さんだった。以前の勤め先で知り合った分団員に誘われた。平成27(2015)年の入団から8年余り。出産と育児で活動から離れたこともあったが、復帰の際は温かく迎え入れてもらえた。佳祐さんは昨年6月に入団。消防団の懇親会に参加していた由佳さんを迎えに行ったところ、その場で勧誘された。埼玉県出身の佳祐さんにとって、知り合いが少ない土地での人間関係形成にも役立ったという。
2人は口をそろえて「2分団は雰囲気がいい」と話す。地元の商店主や企業経営者も多く、谷崎詠亮分団長(45)は「互いが尊重し合い、きょうだいのような存在」と話す。
市消防防災課によると、市消防団の団員数は5年4月2日時点で1705人となっている。うち20代は12%、30代は36%を占める。68人の女性団員が所属し、女性の比率は約4%だ。同課は消防団を「地域防災の要」と位置づけ、令和4年度以降は報酬を増額し、動画投稿サイトの市公式チャンネルに活動を紹介する映像を投稿するなど、男女を問わず団員確保に力を入れている。
上條博文団長は「仕事や育児で忙しい人も、できる時、できる範囲で問題ない。老若男女、分け隔てなく活動できる環境がある」と、広く入団を呼び掛けている。