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新博物館 観覧者で明暗 常設展-テーマ別展示好評 特別展-観光客なじみ薄く?

2階特別展の展示会場

 松本市は19日、10月に開館した新市立博物館(大手3)の2カ月間の観覧者数をまとめた。有料の常設・特別展の観覧者総数は4万4330人、うち常設展は1日当たり479人で目標値250人を2倍近く上回った。一方の特別展は同326人で、目標値752人の半数以下にとどまった。特別展の観覧者が伸び悩んだ理由について、市は内容が外国人観光客らになじみが薄かったことを要因に挙げている。

 開館した10月7日から12月10日まで、常設展示室と特別展示室の観覧者数を集計し、目標値は旧博物館の過去の観覧者を基に算出した。松本の歴史・文化・自然など八つのテーマごとに展示した常設展は2万6363人、開館を記念した特別展「まつもと博覧会」は1万7967人が来場した。
 特別展は明治6(1873)年に第1回松本博覧会が開催されて150周年になるのを記念して企画され、博覧会から現代に続く松本のものづくりなどに焦点を当てた。臥雲義尚市長は19日の定例記者会見で、「外国人をはじめ観光目的の方には若干、興味を持ちにくいテーマであった」と推察。その上で「初回の特別展が、松本城の歴史と深くつながる博覧会をテーマに取り上げたことはふさわしかった」と強調した。
 入場料は常設展500円、特別展1000円、セット券が1200円で、セット券の売り上げは全体の3割にとどまった。1月13日に始まる特別展第2弾は浮世絵をテーマとしているため、市立博物館の加藤孝館長は「外国人観光客も興味を持つ内容のため、観覧者が伸びるか注目していきたい」と話している。