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黒沢川の調節池工事進む 安曇野市三郷 全景出現 25メートルプール500杯分

11月下旬に撮影された調節池の建設現場(県安曇野建設事務所提供)

 県が安曇野市三郷小倉の黒沢川左岸で建設を進める「調節池」の全景が出来上がってきた。容量25万3000立方メートル、25メートルプールに換算すると約500杯分に相当する治水対策の貯水施設で、近くの市道などから臨むと、大きさを実感できる。

 調節池は赤沢橋の上流側に建設中で、全長約320メートル、幅約100~120メートル、深さ約15メートル。黒沢川内に水の流量を制限する「堰上げ施設」を築くことで、増水時に上流の水位を上げ、ブロック張りの調節池に越流させる。池が満杯になると「洪水吐」から川へと自然に戻る仕組みで、満杯になる前でも下流の安全が確保されれば、人為的にゲートを開いて池内の水を川に戻す。
 建設事業は令和2年度に着工。赤沢橋と橋上の市道の改良工事、流末が最下流部で細る黒沢川の河川改良工事も含み、総事業費は現時点で約35億円を見込む。全事業は令和8年度に完了予定。河川改良により、現在農業用水路の「堀廻堰」に流れ込む流末は、近くの「あづみ野広域排水路」に接続される。
 県安曇野建設事務所の整備課によると、工事の進ちょく程度は現時点で約4割だという。「県の事業で面積的にこれだけ広い工事は珍しい」としている。
 建設現場は赤沢橋の仮橋などから見られるが、一般車両や工事車両が通行するため注意が必要となる。

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