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医療的ケア児と母親写す 塩尻市立図書館で作品展始まる

写真展の会場を訪れた山本さん(右)

 日常的に医療的なケアが必要な子供の母親で、写真家の山本美里さん(43)=東京都府中市=の写真展「透明人間 Invisible Mom(インビジブル・マム)」が15日、塩尻市立図書館本館で始まった。医療的ケア児や障がい児などの家族を支援する塩尻市のピアサポート団体「ピアリイ」が主催する。28日まで。

 写真展は医療的ケアが必要な子供のため、特別支援学校に付き添う母親がテーマ。作品の多くは、山本さんが自ら被写体として写り、教室で「半透明」になって待機する様子を自分で写した作品など52点が並ぶ。
 山本さんの次男(15)には生まれつき重い障がいがある。学校の看護師では担えない医療的ケアがあるため、山本さんは次男が入学した平成27(2015)年以降、付き添いを続けているが、学校では「必要な時以外は気配を消すように」と言われ、修学旅行に付き添っても一緒に記念写真には写れない。こうした特別支援学校の医療的ケア児と母親の「今」を、ユーモアを交えて表現した。
 ピアリイの共同代表・吉村さやかさん(37)=塩尻市塩尻町=が交流サイト(SNS)を通じて山本さんを知り、写真集に共感。塩尻での写真展開催を持ちかけた。吉村さんは「山本さんの写真や文章に心を打たれた。一人でも多くの人に伝われば」と話す。
 24日午後2時から、市民交流センター・えんぱーくで山本さんのトークイベントを行う。事前申し込みは不要。