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デザイナー4人と藤原印刷 「松本」テーマに作品展

マツモトアートセンター出身のデザイナー4人が集う作品展

 マツモトアートセンター(松本市大手1)出身で、県内外で活躍するデザイナー4人と藤原印刷(同新橋)が「松本」をテーマに作品制作した。松本市内の代表的な場所や日常的な風景、記憶を素材とし、実験的な印刷方法を採用して新たな展開を試みた。5日から17日まで同センターで展示する。

 松本市出身の小口達也さん(51)、上伊那郡箕輪町出身の寄藤文平さん(50)、安曇野市出身の井出八州さん(41)、伊那市出身の北原美菜子さん(39)が参加。小口さん、寄藤さんは都内、井出さん、北原さんは松本に拠点を置く。
 広告などを手掛ける小口さんは、色のグラデーションの滑らかさにこだわった。松本城やあがたの森公園などを素材に、ぼかした絵柄で画面構成。色の表現の幅が大きいデジタル印刷機を使い鮮やかな作品となった。
 広告や本の装丁などを手掛けてきた寄藤さんは、松本市街地から見える美ケ原高原の「王ケ鼻」をテーマにした。鉛筆を使って、図柄を並べた時に王ケ鼻が現れるように、パターンを考えた。「幾何学的でなく有機的なところ、描いてない部分に像が表れること」が今回の挑戦という。
 井出さんは松本城の漆塗りに着想を得た。13色を使って6回印刷し奥行きある作品にした。北原さんは印刷の「ムラ」や「ずれ」に着目。同質の品を繰り返し生産するという、印刷の役割とは反対の一枚一枚違う点も意識した。
 小口さんは、依頼主の要望に応えるという、日頃の仕事とは異なるとした上で「自分でテーマを探すことも必要で、すごくいい機会」と捉える。藤原印刷の宮本善太郎さんは「印刷の面白さをあたらめて知ってほしい」と話していた。
 午後1時~6時。入場無料。トークイベントが9日午後3時、アフターパーティーが9日午後5時からある。料金は共に1500円(要予約)。問い合わせは藤原印刷(event@fujiwara―i.com)へ。