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御嶽スキー場 再興へ着々 9日開業 宿泊ルーム新設 浴室改装 ⅭFで資金調達

ロッジ三笠内の浴室が生まれ変わった銭湯「三笠の湯」。男性用の浴場には、村と牧尾ダムにまつわる歴史が感じられる壁画が描かれている

 王滝村の御嶽スキー場が9日の今季営業開始に向けて準備を進めている。「御嶽スキー場再復興プロジェクト」と銘打ち、インターネット上で資金を調達するクラウドファンディング(CF)などを活用して老朽化する施設・設備の修繕や改修を行いながら、ゲレンデ造りを進めている。

 従業員の寮として利用している「ロッジ三笠」の大部屋を改修して、宿泊可能なドミトリールーム「三笠の小宿」を新設。使われていなかった浴室も改装し、銭湯「三笠の湯」として生まれ変わらせた。スキー場敷地内にあり、昨季営業を終了した「展望浴場ざぶん」の代替となる。ほかにも一部のリフトの座面交換や、標高1900㍍近くにある休憩所の改修、初・中級者向けの非圧雪の滑走コース拡張などをした。
 改修費は3000万円で、CFに加えて指定管理者を務める企業・シシ(王滝村)と村が出費したほか、県の補助金も活用した。今夏に挑戦したCFには、スキー場のファンら784人から目標金額800万円を上回る1100万円超が集まった。
 心を寄せた会社員・大橋昭紀さん(36)=木曽町日義=は「スキー場をとにかく良くしていこうという思いが強い人たちばかりなので、少しでも利用者として協力できたらいい」と話していた。
 4日に今季の無事故を願う安全祈願祭が行われた。シシの岩堀翔太社長は「CFに寄せられた熱い思いや、スキー場の使命を心に留めながら運営していきたい」とあいさつした。越原道廣村長は「昨季よりも多くの人でにぎわうことを期待している」と願っていた。

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