連載・特集

2023.12.26 みすず野

 今年も残り1週間足らず。きのう、松本市の縄手通りを歩いた。正月のしめ飾りを売る店を見に行った。わらを材料に、色鮮やかな飾りを付けた玄関飾りや、山のように積まれた松の枝が年の瀬を告げていた◆簡単な輪締めは、わらが手に入る家では手作りしたものだが、その技を受け継がなかった。不器用だから仕方ない。暮れを前に、地域でしめ縄作りの講習会が開かれ、あちこちの様子が紙面に掲載されていた◆買い求めたのはその輪締め。店によると値段は昨年と同じだそうで、いろいろ値上げされたなかで、できれば少し上乗せしたいけれど「昨年より高くなった」と言われるのがつらいから、今年も据え置きだと、わざわざ袋に入れながら話してくれた。いい色をしたわらを使っていてうれしかった◆通りの店を一通り見た。いつ来ても帰りたくないと思う楽しさにあふれている。歩いていると目の端にちらちら欲しいものが入る。我慢できなくて手に取るが、後日来ようと自分に言い聞かせて帰ることにした。通りを吹き抜ける風の冷たさが、師走も終盤と教えていた。正月飾りを扱う店がにぎわうのは28日ころからだという。