教育・子育て

松本市内全中学校の野球部再編 5チームに統合 部員不足、教員の負担軽減で

さまざまなユニホーム姿の部員が並ぶ合同チームの練習(23日、女鳥羽中校庭)

 松本市教育委員会は、中学校部活動の部員不足の解決と教員の負担軽減を目指して、市内14校にある軟式野球部をエリアごとに五つの合同部活に統合する。本年度から休日はそれぞれで合同練習しており、10月には新チームで新人戦にも出場した。野球部がない学校の生徒も参加できる仕組みで、将来のクラブ化に向けて取り組みを進めている。

 五つの合同部活のうち「北部・東部」チームは、女鳥羽中14人、清水中5人、会田中2人、筑北村の聖南中2人に、野球部がない山辺中の2人の計25人でチームを組み、女鳥羽中や清水中などで練習している。女鳥羽中野球部顧問の宮澤泰春教諭(41)は「合同チームだと試合形式の練習ができるし、部員間に競争意識が芽生えるなど良い効果がある」と話す。指導者は外部を含め5人になった。他の人に任せやすいメリットもあるという。
 山辺中1年の木下恭佑さん(13)と金澤侑志さん(12)は「小学校で軟式野球をやっていたが、中学にないので諦めていた。またできてうれしい」と声をそろえた。主将の寺沢琉空斗さん(14)=女鳥羽中2年=は「他校の部員とのコミュニケーションは大変だったが、試合を重ね絆が深まった」と話す。
 同チームは来年1月からのクラブ化を目指している。代表に就任予定の原光伸さん(48)=横田=は「人数が足りずいつも頭を悩ませていたが、これで安心して野球に取り組める」としている。
 野球部のクラブ化に向けては、外部講師の継続的な確保や指導を希望する教員がどう関わるのかなどの課題もある。国は、令和7年度中に全ての学校で休日移行(クラブ化)する方針を示しており、市教委は「継続性のある体制づくりへ、国の方針にならい検討していきたい」と話している。