埴原神社の扁額新調 松本・中山

松本市中山の埴原神社の氏子総代会は、神社名が刻字された拝殿掲示用の扁額(看板)を新調し、23日、おはらいの神事をして取り付けた。額の材料は、青森県と秋田県にまたがる世界遺産の白神山地に、1000年以上も地中に埋まっていたと推定される「神代木」のケヤキという。地元の神社に立派な額を飾ることができ、集まった地域住民たちは喜び合った。
拝殿に扁額がないことを物足りなく感じていた総代会が、役員任期の終了記念で新調を計画した。新嘗祭に合わせて、取り付け作業をし、新しい額のお披露目の場にもなった。総代会の清水敏郎会長(80)=松本市中山=は「歴史ある神社を地域で守っていく機運が高まればうれしい」と新調の期待を語った。
額の制作は、材料の仕入れから書家・刻字作家の丸山祐弘さん(81)=同市里山辺=が担った。額は、自然着色された茶褐色で、縦85センチ、横55センチ。陽刻された文字に金箔が貼られている。丸山さんによると、安曇野市内のなじみの材木店に貴重な材が偶然あり、神社の扁額制作に使う旨を話し、提供してもらった。丸山さんは「神様のおぼしめしで、このような物が作れて感動している」と笑顔だった。額の枠材は樹齢100年以上の木曽ヒノキを用いた。