地域の話題

松本の奈良井川で支障木の伐採進む 河川敷が日増しに広々

支障木の伐採が進む奈良井川左岸。日増しに視界が開けていく

 河川の増水が落ち着く非出水期を迎え、松本市内を流れる奈良井川の河川敷で支障木の伐採が本格化している。激甚化する近年の自然災害に備え、大水の際に支障となったり流木となったりする立ち木をあらかじめ取り除く狙い。工区を移しながら毎年進めている作業だが、本年度は交通量の多い奈良井川左岸の堤防道路沿いが広範囲で対象となっており、日を追うごとに視界が開けていく様子を目にすることができる。

 県奈良井川改良事務所が松本市島内~笹賀を四つの工区に分け、ニセアカシアを中心とした立ち木を根元から抜き取っている。対象範囲は計1.64キロ、5万2300平方メートルで10月後半から今月にかけて順次着手した。施工業者の重機が河川敷を行き交い、伐採された樹木が整然と積まれていく。河川敷の広さを実感する光景だ。
 国が進める「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の一環。事業費は薄川で進める同様の事業と合わせて3億3000万円程度を見込み、国費も活用する。
 伐採した支障木はこれまで、希望者に無償配布してきた。まきストーブの燃料として人気が高く、昨年度も希望が殺到したという。ただ、本年度も同様に処理するかは「現時点では分からない」(同事務所)。処分方法は今後検討していく。