政治・経済

新松本市立病院 建設費4割増 松本市 資材・労務費増え124億円

令和10年開業を目指す新市立病院のパース図

 松本市立病院(波田)は21日、新病院の基本設計案を市議会市立病院建設特別委員会に示した。波田中央運動広場に鉄骨5階建て延べ約1万5230平方メートルの建物を建設する総事業費が、建設資材の高騰や労務費の上昇などで当初見込みの約87億円から約124億4000万円に膨らんだ。委員からは財政負担の増大を懸念する声が相次いだ。来年以降に実施設計や建設に入り、令和10年の開業を目指す。

 新病院は1階に外来や救急、感染症の診療機能、2階にフレイル予防センター、産科、透析センター、3階に手術室や医局、事務部門を置く。4、5階は病棟になる。建物周辺には車椅子使用者専用を含めた約450台分の駐車場と、約40台分の駐輪場、災害時には避難場所にもなる「HATAガーデン」を配置する。
 同委員会では事業費の増加が議論された。病院側は約87億円と見込んだ基本計画を策定した昨年3月と比較して、建設資材のコストが40~70%、労務費が10%ほど増えたのと、省エネルギー化や太陽光発電設備の設置など建物の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化」の設備費が増えたのが、事業費の増加の要因と説明した。委員からは「市民のためにコスト削減の努力を」「建設費の妥当性など慎重な対応を」との意見が挙がった。北野喜良病院事業管理者は「しっかりとした財政計画で病院経営を進めていく」と話した。