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「木曽の大橋」特大模型を地元・奈良井区に寄贈 松本の野村秀康さん制作

奈良井区に寄贈された「木曽の大橋」の模型。右が野村さん

 松本市中山の野村秀康さん(82)は20日、塩尻市の奈良井宿近くの奈良井川に架かる太鼓橋「木曽の大橋」の模型を、地元の奈良井区に寄贈した。これまで歴史的建造物など数々の大型模型を手掛けており、実物と同じ木曽ヒノキを用いて複雑な構造美を再現。区内の鎮神社境内にある楢川歴史民俗資料館に展示される。

 「木曽の大橋」は、ふるさと創生事業の関連事業で旧楢川村時代の平成3(1991)年に完成。長さ33メートル、幅6.5メートルで橋脚のない橋としては国内有数の大きさという。模型は20分の1サイズで、現地へ足を運んだり写真を見たりしながら可能な限り忠実に再現し、10年ほど前に仕上げた。特に苦労した裏側の構造が見えやすいよう鏡も組み込んでいる。
 地区文化祭の一環で展示していた中山公民館で、野村さんから地区役員へと引き渡した。訪れた小嶋正則区長(67)らは実物の建設に当時村職員として携わった縁がある。小嶋区長は「すごく思い入れのある橋。魅力を感じて模型を作ってもらえたことがうれしい」といい、資料館にある橋の断面模型と合わせて「全体が分かる展示になる」と喜んでいた。
 野村さんは「多くの人に見てもらえることが一番ありがたい。本物に似せてあるので、近くで比較してもらえれば」と話していた。