地域の話題

スズキ・メソードの発祥は松本・裏町 才能教育研究会が銘板設置

はしご横丁に掲げた銘板(右)の前で演奏する生徒たち

 才能教育研究会(松本市深志3)は19日、音楽を通じた才能教育「スズキ・メソード」の発祥の地を示す銘板を同市大手4の裏町に掲げ、現地でお披露目会を開いた。裏町の飲食店街「華のうら町夢屋台はしご横丁」の一帯に、昭和21(1946)年に設立された同研究会の前身、松本音楽院があったという。関係者らが念願の銘板を囲み、世界へと広がったスズキ・メソードの礎をしのんだ。

 地元の理解を得て、はしご横丁の塀に銅製の銘板が掲げられた。創設者・鈴木鎮一によって才能教育運動が始まり、裏町にあった建物を借りて音楽院が誕生した経緯が日本語と英語で記される。
 幼少期に音楽院で学んだ研究会の早野龍五会長(71)=東京都=は「ほぼ5年越しのプロジェクト。記録を残せてとても良かった」、地元の巣山篤夫・下横田町会長(76)は「発祥の地が裏町だったことはわれわれの自慢。本当にうれしい」と喜んだ。同じく音楽院に通った同研究会バイオリン科指導者の佐々木衣子さん=松本市=は「建物2階の幼稚園に通った後、1階の音楽教室で学んだ」と当時の様子を紹介していた。
 昭和42年、後継の才能教育会館が現在地に設立され、音楽院は役目を終えた。お披露目会ではスズキ・メソード松本支部の生徒たちが銘板の前でバイオリンを奏で、約半世紀ぶりに現地に才能教育の調べが響き渡った。