教育・子育て

経験生かし日本語指導テキスト出版 子ども日本語教育センターの4人

本を執筆した(左から)加藤さん、百瀬さん、西尾さん、栗林さん

 松本市で外国にルーツを持つ子供たちの日本語教育を支援している市子ども日本語教育センターの支援員やコーディネーター4人がこのほど、日本語指導テキスト『学校生活のためのにほんごやまのぼり』を学事出版(東京都)から出版した。子供たちが日本語を使っていち早く日本の学校生活に慣れることができるよう、日本語教育の現場で得たノウハウを基に細部まで工夫を凝らした。

 B5判259ページを支援員の加藤美乃里さん、百瀬千里さん、コーディネーターの栗林恭子さん、西尾淳さんが執筆し、9月に出版した。
 最低限必要な「サバイバル日本語」を学ぶ「1合目」を皮切りに、「5合目」までの5部構成で、学校生活のさまざまな場面を題材に、日本語の基本的な文法などを学ぶことができる。巻頭には日本語教育の経験がない教員に向け「日本語指導のためのQ&A」や「指導案例」のページを用意したほか、全てのページを自由にコピーできるようにした。6合目以降がないのは「一人で歩んでいけるように」との思いが込められている。
 2合目から5合目までの各課には「この課のねらい」が示されており、「助詞の使い分けを理解する」といった日本語学習の目標はもちろん「日直活動ができる」「自分のしたいことや将来の夢が言える」といった学校生活や人生設計での到達目標も掲げられている。
 百瀬さんは「子供たちが日本語を楽しみ、日本文化に慣れ、日本での将来設計を描けるようになればうれしい」と期待を込めていた。