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日本の婚礼を体験して 塩尻市内2観光協会 外国人向けツアー本格販売へ

花嫁行列で新郎新婦の後を歩く外国人参列者

 塩尻市の奈良井宿観光協会と市観光協会は、外国人向けに、日本の結婚式に参列する体験ツアーを試験的に商品化し、8日に奈良井宿で始めた。ツアーに賛同、協力した市内の新郎新婦の式に、スペイン、ロシア、シンガポールから男女3人が参列。江戸時代の婚礼を再現した花嫁行列などに加わり、日本の伝統文化を感じた。

 新型コロナウイルス禍で挙式できずにいた北小野の自営業・湯浅章太郎さん(41)、亜木さん(36)夫妻の協力を得て実施した。外国人3人は着物を着て、専念寺での仏前結婚式、徳利屋での披露宴などに参列。徳利屋から専念寺に向かう花嫁行列では、雅楽が演奏される中、3人がちょうちんを手に、新郎新婦の後をゆっくりと歩いた。
 シンガポールから参加したデビッド・ソングさん(42)は「日本は伝統文化がしっかりと継承されていて素晴らしいと思う」と話していた。章太郎さんは「自分たちの結婚式が、塩尻とインバウンドをつなぐきっかけになればうれしい」と協力した思いを語った。
 ツアーは3日間の日程で、9日は奈良井宿散策や木曽平沢の漆器工房見学などを予定する。
 両観光協会は、今回のツアーの結果を基に価格などを決めた上で、来年度以降に本格販売に踏み切る。市観光協会の鳥羽和久事務局長は、新型コロナウイルス対策緩和を受けたインバウンド需要増がさらに進むとみて、「塩尻でしかできない体験を誘客につなげていきたい」と話していた。