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「安曇野ほうき」完成 猿が食べないホウキモロコシから 試験栽培成功 

安曇野ほうきの第一号と百瀬さん

 安曇野市穂高有明の住民有志らが猿害対策として遊休農地で今年始めた「安曇野ほうきプロジェクト」で、収穫したホウキモロコシの穂からプロジェクト第一号の「安曇野ほうき」が完成した。穂高の穂高神社でこのほど開かれた手仕事イベント・安曇野さんぽ市でお披露目し、来年以降の本格的な栽培に向けて弾みを付けた。

 プロジェクトには地元のクラフト作家・野中由紀子さん、立足区の元区長で農業の中村治幸さん、安曇野市明科七貴のほうき職人・百瀬佳明さん、わら細工作りをしている池田町会染の丸山美幸さんが参加している。
 猿が食べない農作物を育てて人里から遠ざける取り組みで、立足区の3アールでホウキモロコシを試験的に栽培した。思惑どおり猿の食害に遭わず、無事に収穫できたという。プロジェクトを紹介した市民タイムスの読者が協力して脱穀機も5台手に入り、百瀬さんの手ほどきでほうきを作った。ゆくゆくは「安曇野ほうき」の特産化を目指している。
 座敷ぼうきなどを制作した百瀬さんは「猿に食べられることなく何とか物になってよかった。プロジェクトに興味を持つ人が増えれば」と期待する。稲わらと組み合わせてミニほうきを数本作った丸山さんは「収穫量は少なかったが1年目としてはよかった」と手応えを話していた。
 出来上がったほうきは柔らかくてこしがあり、使っていて気持ちいいという。野中さんは「来年は(栽培面積を)10倍ぐらいにしたい。ほうきが皆さんの手に届くよう頑張りたい」と意気込む。

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