松本・庄内西公園が閉鎖3年 水はけ悪く危険 市が開放目指し対策検討
松本市出川1に、フェンスで囲まれた全面コンクリート張りの敷地内にベンチが点在する不思議な空間「庄内西公園」がある。公園といえば地域住民の憩いの場だが、遊具も樹木もなく入り口は施錠されている。どういう場所なのか、ちょっと戸惑う眺めだ。
庄内地区土地区画整理事業の一環で平成22(2010)年に造られた。敷地面積は2100平方メートルで、大雨による増水時、公園の北側を流れる田川の支流・逢初川の水を一時的に流し込み、公園南側を流れる田川の過剰な増水を防ぐ調整池としての機能を併せ持つ。周囲よりも水位が低くこれまでに何度も浸水しているため、市が昨夏、大型と中型のポンプ2基に加え、新たに小型ポンプを増設した。
開園当初はバスケットボールのゴールやテニスの壁打ちができる設備があったが、周囲に住宅が増え始めると「朝晩うるさい」と苦情が寄せられるようになり、市が26年ころまでに撤去した。令和2年夏にはたまった水がなかなか引かず、大量の藻が発生。滑りやすく危険な状況だとして閉鎖された。以来、開放できておらず、現在の姿になって3年が経過した。
浸水の詳細な理由を突き止め、対策するには多額の費用がかかることが予想される。近くに庄内公園があることもあり、近隣の豊田町町会の吉沢栄治町会長(66)は「町会内からは、公園として再開してほしいという強い声は聞かない」とする。
ただ、市は開放を目指しており、公園緑地課は「ポンプの増設で排水機能が高まった。引き続き調査を進めたい」としている。