炊き出し訓練かねて芋煮会 松本の南水寺常会

松本市神林の寺家町会の南水寺常会は1日、市消防団第13分団本部詰め所の駐車場で、炊き出し訓練を兼ねた芋煮会を開いた。新型コロナウイルス禍で常会の恒例行事が途絶えてしまったことから初めて企画し、住民53人が参加して親睦を深めた。
寺家町会主催の避難訓練に合わせ、常会独自に開催した。芋煮に使う野菜類は詰め所の隣にある畑で収穫したものを使い、災害時に自給できるように考えた。子供たちは餅つきも体験した。住民たちはテントの下で焼きそばや焼き鳥も食べ、世間話に花を咲かせていた。
南水寺常会は26戸でつくり、コロナ禍前は毎年、新年会と春の花見を開き、町会の球技大会への参加を通して住民の親睦を図ってきた。しかしコロナ禍でこれらが途絶え、再開するかどうかを住民に尋ねたところ、高齢化などを理由に反対する意見が多かった。「このままでは住民同士の交流がなくなってしまう」と案じた杉谷守常会長(70)が、多くの住民が参加する避難訓練の機を利用して企画した。
一石二鳥の取り組みに参加した住民たちからも「楽しくていい」と好評で、寺家町会の中川英夫町会長(67)は「災害時に一番大切なのは地域のまとまりであり、近所の助け合い。すごくいいアイデア」と話していた。