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上土シネマ(旧松本電気館)建物の活用探る 有志が再生会議結成

上土シネマ(松本電気館)だった建物の活用に向け、思いを語り合う参加者たち

 松本市の上土通りにあったが、平成20(2008)年に閉館した映画館・上土シネマ(大手4)の建物の保存・利用を目的とした「旧松本電気館再生会議」が27日、同館で結成された。住民や市議会議員ら約30人が出席し、今後は賛同する会員を増やし、具体的な活用法を探っていくことにした。

 上土シネマは大正6(1917)年ころ、松本電気館として開館し、オリオン座、松本東映、上土シネマと改名しながら、映画館として長年親しまれてきた。地元の上土大正ロマンのまちづくり協議会は令和3年10月、建物を活用したいと所有者の松本斉産土地から賃借し、利用を始めた。
 令和4年冬にマツモト建築芸術祭の会場となり、ボランティアらが修繕し、70席の小ホールが使用できるようになった。協議会も今夏、消防法に適応するためエントランスなどを改修し整備を進めている。
 27日は「若い人を引きつける活用を考えたい」「必ずしも映画館として使わなくてもよいのでは」などの意見もあった。会長になった上土大正ロマンのまちづくり協議会長・藤森典人さん(87)は「法律などをクリアしながら活用を進めていきたい」と語った。議長の齊藤忠政さん(49)=マツモト建築芸術祭実行委員長=は「若者はこの建物に魅力を感じている。地元が楽しめる場をつくれば、外からも人が集まってくる」と話していた。

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