しあわせ・あずみん利用増 安曇野市社協 困りごと有償請負事業

安曇野市社会福祉協議会の自主事業「しあわせ・あづみん(住民参加型有償在宅福祉サービス)」の利用が拡大している。住民同士が日常生活の困りごとを有償で請け負い、支え合う仕組みで、一人暮らしの高齢者を中心に「依頼者」が増えている。依頼に応じる支え手の確保へ、市社協は「支援会員」を募る説明会を27日に開き、事業の周知に努める。
平成24(2012)年度に全5支所に事務局を設け、市内全域で事業展開して以降、令和元年度に24人まで落ち込んだ利用者数(延べ利用者数61人)が、新型コロナウイルス禍にも急伸。令和4年度は95人(同262人)に回復し、本年度は8月までに45人(同89人)に上る。
利用者の減少を受け、実施要綱を同2年度に改定した。利用者と支援会員の仲介、調整役を担う各支所からすくい上げた「支援会員が少なく頼みにくい」「住民に事業が知れ渡っていない」といった周知不足に起因する課題の解消に努めて以後、支援会員の登録も増えている。居宅介護に関わるケアマネジャーら介護福祉事業者へのPRも奏功した。
利用実績は、本年度8月までの内訳をみると、延べ利用者89人のうち「ごみ出し」が50人と圧倒的に多く、「草取り」が20人、「庭木剪定」と「農作業」がいずれも4人などと続く。支所別では「豊科」で延べ46人、一方「明科」で1人などと地域差もある。社協の稲越幸男・地域福祉係長は「助け合い文化がもともと根付いている地域もあるとみられるが、ニーズは潜在している。実態に即し、使いやすい事業の浸透を図りたい」と話す。
27日午前10~11時に市社協堀金支所で説明会を開く。希望者は社協の各支所へ。