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進めデジタル化 松本市消防団がアプリ導入やパソコン配備

市が導入したアプリ「ファイヤーチーフ」のトップページ

 松本市は、市消防団(上條博文団長、1715人)の団員の負担を軽減する一環で、スマートフォンアプリの導入や各分団へのパソコン配備を進めている。デジタル化で団員間の情報共有をスムーズにして業務の効率化を図り、退団者の減少や若い世代の新規入団につなげたい考えだ。

 分団ごとに紙ベースや表計算ソフトで作成し提出していた出動報告が今月から、専用アプリでできるようになった。昨年度まで一律だった出動報酬額が見直され、内容や時間で細かく区分されるようになった上に、分団単位だった支給が個人払いに変更された。団員個々の状況を把握する幹部の事務作業はより煩雑になったが、アプリの導入でスマホ一つでできるようになり、分団内での情報共有も容易になった。アプリの使用料には、消防庁の「消防団の力向上モデル事業」の補助金176万円を活用している。
 昨年度に全39分団などに計43台配置したノートパソコンは、新型コロナウイルス禍でのウェブ会議に役立ったほか、スマホを持たない団員が申請書類を作成する時にも使うことができる。
 上條団長は「アプリの導入で、2カ月に1度の市役所への報告が必要なくなった。団員減少は著しいが、大きな災害や行方不明者の捜索などに地域に詳しい人材は欠かせない。デジタル化を団員確保の一助にしたい」と話す。
 市消防防災課の三浦幸次郎さん(28)は「デジタル化は消防団員の処遇改善の重要課題の一つ。今後も進めていきたい」と話している。