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オンライン診療始まる 木曽病院 巡回先で試行 モニター通じ診察

試行が始まったオンライン診療でパソコンの画面越しに受診する患者(上松町才児集会所)

 県立木曽病院(木曽町福島)は21日、巡回診療先でのオンライン診療の試行を上松町小川の才児集会所で始めた。患者や医師の負担軽減を図り、持続可能な医療提供体制を確保する目的で、医師がモニターを通じて診察した。本年度の様子を見て、効果が確認できれば本格的な導入や実施場所の拡大を検討する。

 才児集会所では毎月1回の巡回診療が実施されており、隔月でオンラインを試験導入する。この日は近くの男性(53)が内科系の定期受診をし、パソコンの画面越しに医師から問診や視診を受けた。現地には補助役の看護師や薬剤師が出向き、医師の指示で男性の血圧を測るなどした。
 診察をした外科の河西秀医師は「画像、音声とも鮮明でほぼ対面に匹敵する感触だった。病状が落ち着いていれば対面診療を補うものになり得る」と手応えを示した。一方で聴診、触診ができない点を課題に挙げた。受診した男性は「対面とあまり変わりなくやり取りでき不安は感じなかった」と振り返った。
 現地の看護師らは機器に不慣れな高齢者の補助などを担い、医師の指示に応じて薬も渡す。木曽病院は12月ころから順次、郡内のグループホーム3施設でもオンライン診療を試験導入する予定だ。

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