地域の話題

お城周辺 人が集う場に にぎわい創出企画が始動

初日から大勢が来場し、飲食やイベントでにぎわったタカノバのウッドデッキ

 「誰かに語りたくなる暮らし」を合言葉に、街のにぎわいや滞留空間の創出を図る二つのプロジェクトが16日、松本市の国宝松本城界隈で始まった。お城南側に開通した外堀大通りの歩道を使う「三のマルシェ/秋の収穫祭」と、鷹匠町の信光石油跡(開智1)に設けられた「タカノバ」だ。いずれも市民グループ主体の社会実験として取り組み、検証を重ねながらより良い街づくりに生かしていく。

 三のマルシェは松本城・三の丸倶楽部(齊藤忠政座長)が実施する。外堀大通りに沿って東西に延びる歩道に、農産物やクラフトなど6ブースを並べた。ユニークなのはミニF1(エフワン)。最大15メートル幅の歩道に特設したコース内を電動カートで走行でき、子供たちが夢中で遊んでいた。
 大通り歩道の活用は初めて。17日も午前10時~午後4時に開く。上原秀副座長は「一歩踏み出すことで見えてくるものがある。一帯の魅力向上に向け検証を重ねたい」と話す。
 タカノバは松本国宝の架け橋プロジェクト(荒井洋代表)が運営する。国宝松本城と国宝旧開智学校校舎の間に位置し、飲食や物販、イベント体験などに活用できる店舗やウッドデッキを整備した。
 初日はオープニングイベントも。式典で大輪俊江・三の丸エリアプラットフォーム運営委員は「ハード的にはゴールだがソフトとしてはスタート。いろいろな物語が紡がれていくように」とあいさつ。古田健司副代表は「来訪者が語り合い、地域の魅力を発見し、また来たくなる場所であるように」と期待した。
 両取り組みは市の「松本城三の丸エリアビジョン」が掲げる松本城の10の界隈活性化プロジェクトの一環で進められる。