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画家・宮芳平 生誕130周年記念展 豊科近代美術館で

展示会場を内覧するオープニング記念式典の出席者たち

 画家・宮芳平(1893~1971)の生誕130周年記念展(豊科近代美術館・安曇野文化財団主催、市民タイムス共催)のオープニング記念式典が9日、安曇野市豊科の豊科近代美術館で開かれた。「作品とエピソードで綴る生涯」と題し、同美術館が所蔵する宮の絵画を中心に124点を展示している。10月9日まで。

 新潟県出身の宮は森?外の短編小説『天寵』の主人公「M君」のモデルとしても知られ、2人が知り合うきっかけとなった油彩画「椿」が目を引く。47歳で亡くなった宮の妻・エンの葬儀で、遺影の代わりに飾られた油彩画「妻」も並ぶ。
 宮は大正12(1923)年、諏訪地域の学校に講師として赴任した。昭和35(1960)年には知人や教え子らの支援で諏訪市に住居兼アトリエを構えた。豊科近代美術館は宮の作品約2600点を所蔵しており、宮の作品を所蔵する施設では最多を誇る。
 オープニング記念式典には関係者23人が出席した。宮の孫・宮大地さん(62)=諏訪市=は、「保育園の送り迎えで川や虫、草に夢中になっていても『早く帰ろう』と言われたことはない。子供の自由な発想や行動を見守ってくれた」と思い出を振り返っていた。
 休館の11日と19日、25日、10月2日を除く午前9時~午後5時。入館料は一般520円。問い合わせは豊科近代美術館(電話0263・73・5638)へ。