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児童書『みてろよ!父ちゃん‼』 モデルは塩尻市立図書館の矢澤昭義副館長

自分が登場人物のモデルになった児童書を持つ矢澤さん

 塩尻市立図書館の副館長・矢澤昭義さん(50)と、大工棟梁だった父・久雄さん(故人)は、児童文学作家・くすのきしげのりさんの著した児童書『みてろよ!父ちゃん‼』(文溪堂、平成28年発行)の登場人物のモデルになっている。矢澤さんは4月から8年ぶりに同館で勤めていることから、図書館が今夏発行した小学生向けのブックリストで紹介した。

 主人公の男の子が「アキヨシくん」で、頼りがいのある大工棟梁の「父ちゃん」が登場する。続編に『まかせて!母ちゃん‼』(同、同30年発行)がある。ストーリーは、くすのきさんのオリジナルで『みてろよ!―』は運動会を巡る物語、『まかせて!―』は父ちゃんが骨折して入院してしまい、奮闘するアキヨシくんが描かれている。
 矢澤さんは平成22(2010)年から5年間、図書館で勤務した。図書館の「信州しおじり本の寺子屋」事業の一環で、くすのきさんが26年に塩尻を訪れた際、昔かたぎの大工だった久雄さんのことを話したという。28年にくすのきさんが再び塩尻を訪れた際に次に出る本の主人公がアキヨシくんであることを告げられ「かなりのサプライズだった」と振り返る。
 矢澤さんは、アキヨシくんの父ちゃんについて「『背中を見て育て』という姿が格好いい」と語り「家族の絆の大切さが描かれた本。ぜひ読んでもらえれば」と話している。