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馬籠峠 外国人旅行者戻る 南木曽 ハイキングが盛況 4~7月 1万6253人

馬籠峠途中の一石栃立場茶屋で休憩する外国人旅行者たち

 南木曽町の妻籠宿と岐阜県中津川市の馬籠宿を結ぶ旧中山道・馬籠峠が、ハイキングをする旅行者で盛況だ。特に外国人通行者は4~7月で1万6253人おり、新型コロナウイルス禍前の令和元年度の同期間とほぼ同じ数値となった。妻籠を愛する会は元年度を追い越し過去最高値となる勢いがあると見据え、にぎわいの復活を期待する。

 愛する会が運営する峠途中の無料休憩所・一石栃立場茶屋の前を通った人の数を調べた。7月末までの外国人通行者数は、令和元年度と比べて総数は94人少ないものの、月別にみると4月以外は本年度の方が多い。日本人通行者は7046人で、元年度より2891人少ない。調査を始めた平成21(2009)年度以降、日本人、外国人を合わせた通行者総数は元年度が最多となっている。
 7月末までに78カ国から訪れており、このうちヨーロッパ圏が51・0%、アジア圏が22・2%、北米圏が12・7%と続く。これらの数値も元年度に近く、一定の地域が極端に増えるなど一過性の可能性が少ない「いわゆる『平常』の状態に戻ったと考えられる」(同会)という。
 8月下旬の茶屋も大勢の外国人旅行者が足を休め、さまざまな言語が飛び交い活気にあふれた。この日は158人が茶屋前を通り、120人は外国人だった。管理人の1人の松原明彦さん(75)は「茶屋を訪れる人は途切れることがない。昼食を取る暇もないほどだ」と汗を拭った。
 10月ころにかけてにぎわいはピークになる傾向がある。妻籠や馬籠と南木曽駅を結ぶバスは、既に利用者が乗り切れないほど混雑するときもある状況だ。愛する会の藤原義則理事長は「訪れた人ががっかりすることがないよう受け入れの態勢もあらためて整えていく必要がある」と指摘した。

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