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SKO代表の小澤征良さん 今年のOMFの魅力語る

今年のプログラムの魅力などを語る小澤さん

 松本市で開催中の国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で屋台骨を担うサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の代表・小澤征良さん(51)が21日、市内で市民タイムスの取材に応じた。30周年の節目となった昨年を経て、新たな歴史を刻み始める今年の音楽祭への意気込みやプログラムの魅力について語った。

 オーケストラ公演には「スター・ウォーズ」をはじめ数々の映画音楽を手掛ける世界的作曲家ジョン・ウィリアムズさんが指揮者として初出演する。父でOMF総監督の征爾さんと親交が深く、さまざまな縁やタイミングが重なって実現に至ったといい、「30年の次の一歩となる年を飾るにふさわしい、華やかなフェスティバルになる」と巡り合わせを喜ぶ。
 ウィリアムズさんが指揮するBプログラムは、普段クラシックを聴かない人も映画で一度は聴いたことのある曲がそろう。「SKOが奏でるとどんなふうになるのか、何よりもジョンが楽しむと思う。両者の化学反応がすごく楽しみ」
 Aプログラムでの市民らの合唱、中学生向けと一般向けに1、2幕のみ上演するオペラ「ラ・ボエーム」の圧巻のセットと演出なども見どころ、聴きどころに挙げる。特に子供が「本物」に触れる教育プログラムは、松本にならいウィーンでも同様の取り組みが定着するほど「すごく価値あること」と強調する。
 「父はことあるごとに松本が大事、大好きと言っている」と笑顔を見せ、自身も松本入りして感じる街の盛り上がりに感謝する。感染症禍を経たことでより実感する生演奏の魅力に「どんなに技術が進んでも機械にはできない。人間が奏でる音の響きが体の中に入ってくる体験は特別」と、これから本格化する音楽祭への期待を高めている。