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連日の猛暑 明暗分ける ビアガーデン好調 農家は生育不良懸念

畑ではかん水のためのスプリンクラーがフル稼働している(山形村)

 連日の猛暑は市民生活にさまざまな影響を与えている。中信地方のプールは涼を求める親子連れでにぎわい、強い日差しをよける帽子などの売れ行きは好調だ。一方、高温障害などによる農作物の生育不良を心配する声が出ている。35度以上の猛暑日は9日までに松本(松本市沢村)ですでに8日間。4日連続で熱中症警戒アラートも出た今夏の悲喜はそれぞれだ。

 松本市今井の市民プールは今夏、平日で一日平均300人、土・日曜で計1000人来場している。1時間に1度プールから上がり、水分補給をする熱中症対策も欠かせない。担当者は「暑い夏は大歓迎だが、体調管理に気を付けて」と話す。同市島内のラーラ松本の屋内プールも家族連れでにぎわい、お盆中は一日2000人以上の来場が見込まれている。
 百貨店などでは夏物の売れ行きが伸びている。同市深志2の井上では日傘や帽子がよく売れ、特に日傘を求める男性が多い。上嶋保店長は「それだけ皆さんが暑さを感じているのでは」と話す。
 同市大手3のたかぎ民芸ビル屋上のビアガーデンは新型コロナウイルス禍明けで再開し、地元客の予約が相次ぐ。平日の夕方も仲間とビールジョッキを傾ける姿が見られた。市内自営業の50代男性は「暑い中で飲むから格別おいしい」とご満悦だ。
 ただ、農家の人たちは照りつける空を見上げて心配顔だ。安曇野市三郷小倉でリンゴやナシを手掛ける塚田豊久さん(67)は「春の凍霜害で実が少なくなっただけに、大切に育ててきた。何とか無事に出荷にこぎ着けたい」と願う。
 JA松本ハイランドによると、ジュース用トマトの皮が焼けるなどの影響が見られ、害虫発生なども加わると収量減や品質低下につながりかねない。同JAは、ネットやわらによる遮光、かん水を呼び掛ける。畑ではスプリンクラーが稼働し、水の掛け流しをする水田も見られる。担当者は「熱中症対策も重要」と話している。