「ぼんぼん・青山様」地区全体で一丸 松本中心街の中央地区で

松本市中心市街地の中央地区で8日、地区全体で初めて、子供の夏の伝統行事「ぼんぼん・青山様」が行われた。大学生や中学・高校生を含む約70人のボランティアが運営に参加し、縁日なども開いて新たな夏祭りを楽しんだ。
「中央地区縁日だよ全員集合!」と銘打って、実行委員会と中央地区町会連合会が主催した。児童約40人が参加し、男子は法被姿で青山様のみこしを担ぎ、女子は浴衣に花の髪飾りを付けて歌いながら、松本城大手門枡形跡広場から周辺町会を巡り歩いた。「青山様だよ、わっしょいこらしょい」と縄手通りを進むと、ほほ笑みながら写真を撮る外国人観光客の姿も見られた。
中央地区では16町会のうち、青山様を独自に実施できていたのは3町会しかなく、地区全体で伝統を継承しようと実行委員会による開催にこぎつけた。中央地区町会連合会の栗田幸一町会長(73)は「継続していた3町会でも男女一緒に青山様を行っていた。女子のぼんぼんをできたのは12年ぶりくらい。毎年続けて他の地区とも一緒にできるようになれば」と目を細め、祖父が鷹匠町に住んでいて参加した波田小学校6年生の中田心徠さん(11)は「浴衣でみんなと歩くのは楽しい」と喜んでいた。
実行委員で上田市出身の松本大学4年生・川上夏希さん(21)は「松本独自の文化を大切にしてほしい。初の試みでボランティアが集まるかも心配だったけれど、70人にもなって地域の力を感じた」と話していた。