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安曇野赤十字病院に「糖尿病センター」 体制充実、重症化や合併症予防へ

糖尿病センターを新設した安曇野赤十字病院

 安曇野市豊科の安曇野赤十字病院はこのほど、病院内に「糖尿病センター」を新たに開設した。これまでの支援チームに合併症関連の医師らを加え、合併症のチェックまで行って患者が健康的に過ごせるよう体制を充実させた。合わせて、同病院とかかりつけ医の連携で糖尿病の重症化や合併症を予防する仕組みも始め、地域で糖尿病患者を支える。

 同センターの組織は専門医や看護師、薬剤師、検査技士、理学療法士、管理栄養士などで構成される。同センター長で糖尿病・内分泌内科副部長の石井宏明医師(42)は「できる限り、最新の治療を提供できるようにしたい。合併症をサポートして地域の皆さんに信頼されるセンターにする」と意気込む。
 同病院とかかりつけ医との連携は「安曇野ブルーサークル」(糖尿病循環パス)と名付けた。合併症を病院主体で定期的に診ていく仕組みは、この地域では新しいという。
 糖尿病患者がかかりつけ医の紹介を受けて同病院糖尿病センターで検査・治療を受けた後、かかりつけ医での診療を継続し、半年から1年ごとに同病院で合併症の評価治療を受ける仕組み。石井医師は「車検と同じようなもの。(かかりつけ医と病院を)循環して定期的に検査を受けた方がいい」とする。患者が主体的に入る仕組みを目指している。
 同病院に定期的に訪れる糖尿病患者は約800人で、年々増えているという。石井医師は「地域で合併症をチェックできて、患者さんが健康で過ごせるようにしたい。当病院で糖尿病も合併症も診られるということを発信したい」と語る。