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都内のOL 木曽PRに力 町田さん 冬は中善の"蔵人" SNSで意欲的に発信

 企画会社OL、ときどき蔵人―。東京のコンサルティング会社に勤め、冬季は木曽町福島の中善酒造店で働く町田さくらさん(23)が、発酵食品や木工品といった木曽地域の魅力を発信する「風よ吹け」プロジェクトを、交流サイト(SNS)などで始動させた。8月1日には、東京・銀座の信州首都圏総合活動拠点・銀座NAGANOで、日本酒と漆器、地元食材を組み合わせたイベントを初企画。「多くの方に木曽の魅力を伝えたい」と意欲を見せている。

 町田さんは埼玉県出身。米国に本校があるテンプル大学の日本校在学時にアルバイト先の飲食店で日本酒への興味を深め、利き酒師の資格を取得した。「日本酒の源流を学びたい」と令和3年10月から酒造りを手伝っている。
 「木曽の酒のおいしさに感動した」と町田さん。「なぜおいしいのか。その答えは良質な水であり、木曽の豊かな山の恵みにほかならない」との考えに至った。「木曽の木と日本酒の魅力を国内外の人に知ってほしい」との一心でプロジェクトを立ち上げ、写真共有アプリ・インスタグラムで、物語性を持たせた投稿を展開している。
 東京のイベントには木曽地域の酒蔵が参加する。木曽の酒を木曽の酒器で提供し、発酵食品と木の器との〝ペアリング〟も提案しながら木曽を〝丸ごと〟感じてもらう。杜氏による座談会も予定し、体験型の企画を通して木曽を想像してもらいたい考えだ。
 プロジェクトは、木曽広域連合の地域PR事業として委託されている。町田さんは「木曽の商品を生活に取り入れたらどうなるのか―といったストーリーを想起してもらうきっかけになれば」と願っている。