政治・経済

筑北で稲の育苗ハウスを有効活用

育苗ハウス内でハーブ・野菜のプランター栽培に取り組む佐野さん(右)と山﨑さん

 筑北村坂北細田で、稲の育苗ハウスを別の農作物の栽培に活用する試みが始まった。村内では育苗期間以外は使われないハウスも目立つといい、合間の期間を生かしてハーブや香味野菜を促成栽培し、都市部のレストランやバーなどに供給できないか、有志が研究を進めている。

 細田でハーブを栽培している村地域おこし協力隊の佐野航太さん(32)と、カシスを栽培し松本市大手2で飲食店兼農産物直売所「KUROSUGURI」を営む山﨑智幸さん(54)が、共同で取り組んでいる。農家から育苗ハウス1棟を借り、5月以降にプランター約100基を持ち込んで十数種類のハーブと野菜を試験栽培している。収穫した作物は山﨑さんの店で紹介するなどして、飲食店の需要や安定供給できる時期を探っていく方針だ。
 2人は、外界と遮断できる育苗ハウスを生かして、本来は暖かい地域で育つ付加価値の高い農産物を、鳥獣や虫の被害を防ぎながら育てられるのではないかと考えている。
 山﨑さんは「販路を松本で確保し、筑北と松本をつなげられたら」と見据え、佐野さんは「ハウス内でプランター栽培しやすいハーブを探り、手法を村全体に広げたい」と意気込む。