二人の「掛け算」で作品面白く 映画監督・山崎貴さんと俳優・吉岡秀隆さん 松本で対談

松本市美術館の特別展「映画監督山崎貴の世界」の記念トークイベントが23日、松本市のまつもと市民芸術館で開かれ、市内出身の山崎貴監督と、山崎監督作品に数多く出演している俳優の吉岡秀隆さんが撮影の舞台裏を語った。山崎監督は、脚本の読み込みにたけた吉岡さんの提案を受けながら「(互いの)掛け算」で何倍にも作品の面白さが増すエピソードを披露。ユーモアたっぷりの軽快なトークに、抽選の観覧者ら1300人が沸いた。
二人は映画「ALWAYS三丁目の夕日」で、茶川竜之介役の吉岡さんが全力で大暴れするシーンの撮影中にフィルムが切れていた思い出や、関係者の間でベーゴマがはやり「撮影の合間ではなく、ベーゴマの合間に撮影した」エピソードを語った。
ジャンル不問の山崎監督作品について、吉岡さんは「でもしっかり山崎流の味がする。特に感じるのは反戦や優しさ温かさ」と言及。山崎監督は「僕らが戦争体験者の話を直接聞く最後の世代になりかねない。受け取ったものは何らかの形で伝えていきたい」と話した。
来場者からは「吉岡さん主演の映画を松本で撮って」というリクエストも。山崎監督は「松本は知りすぎていて青春物なんて撮った日には恥ずかしくて死にそう」と笑いつつ「吉岡君との仕事はスリリングで面白い。松本と吉岡君は似合いそう」と含みを持たせた。
来場した松本市の小学校教諭・麻和正志さん(57)は「お二人のプロ意識に触れることができた。松本での映画実現をぜひ期待したい」と話していた。