山崎貴監督デザインのワイキャット像が壊される 松本城公園で展示の2体

松本市美術館の特別展「映画監督 山崎貴の世界」の開幕に合わせて松本城公園に設置された展覧会応援キャラクターの大型フィギュア「Y―cat(ワイキャット)」3体のうち2体が、何者かによって壊されたことが18日に分かった。市によると16日夜から17日朝にかけて破壊されたとみられ、2体とも足としっぽがコンクリートの台座から外れて前に傾いていた。松本市は松本警察署に被害届を出した。
17日午前7時半ころ、近くを散歩していた市民が発見して市美術館に連絡した。ワイキャットは松本市出身の山崎貴監督(59)がデザインし、イニシャル「Y」と愛猫がモチーフで、特別展の関連企画「まちなか出張展」の一環で展示した。
松本城公園に展示されたワイキャットは「紫」「黄」「緑」の3体で、うち紫と黄が被害を受けた。いずれも後から抱きつくなどして大きな力が加わったとみられる。紫は左手がもげていた。
展示場所は山崎監督の「親しみを感じ、近くに寄って撮影してほしい」との願いからあえて柵などの仕切りを設置しなかった。台座部分と近くに立てた看板に「手を触れないでください」と注意書きをしていた。市の担当者は「悪意を持って壊した可能性は低いとみているが、非常に残念だ。とても悲しい」と肩を落とした。
市は17日昼前に破壊された2体を撤去し、修復している。残り1体の「緑」は引き続き展示するが、周囲をポールチェーンで囲む対策を施した。松本城公園のほか、千歳橋にも3体が展示されているため、同様の対策をした。市文化振興課は「多くの人が写真を撮るなど注目を集めたキャラクターだけに残念だ。対策をした上で展覧会期の10月29日まで引き続き展示する」としている。