政治・経済

山形村上竹田の殿村遺跡 発掘進む

縄文中期の竪穴式住居跡などが確認された殿村遺跡の発掘現場

 山形村上竹田の殿村遺跡で、第2次発掘調査が進んでいる。殿村遺跡は、縄文中期の集落跡を主体に、平安や中世といったさまざまな時代の集落跡が確認されている。発掘は、農地整備に伴い昭和60(1985)年前後に行われた1次調査以来となる。鉄塔の建て替え工事に伴う今次調査では、縄文中期の竪穴式住居の跡や土器片、石器が多数出土している。

 5月中旬~7月下旬、2カ所(各面積約140~170平方㍍)を発掘している。
 1カ所目の調査場所では、竪穴式住居跡が6軒ほど発掘された。中央に炉があり周囲に円形に柱の跡が残る。炉は比較的大きく、縄文中期の後半にかけて住居が大型化していく特徴が見て取れるという。土器片は数多く見つかり、矢尻やナイフ形の石器、木の実をすりつぶすのに使ったとみられる石皿なども出土した。
 2カ所目の調査場所では、中世の住居跡が確認されている。
 発掘調査は地面から約70㌢下までを重機で掘った後、作業員たちが手掘りで進めている。調査に当たる村教育委員会の職員のほか、松本市教育委員会の埋蔵文化財発掘作業員が協力している。
 1次調査で発掘された殿村遺跡出土の縄文土器3点は県宝に指定された。村教委教育政策課の和田和哉課長補佐は「今回の発掘は小規模で殿村の一部だが、当時の様子を確認することができた。この地域の歴史解明につながる記録保存調査になる」と話している。来年度、調査報告書をまとめる予定だ。