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災害に負けず 誓い固く 南木曽・梨子沢土石流9年 町職員 蛇抜け碑に献花

じゃぬけの碑に献花する参加者

 南木曽町読書で平成26(2014)年に発生し中学生1人が亡くなり建物計43棟が被災した梨子沢土石流災害は9日、発生から9年を迎えた。被災地跡に建てられた「平成じゃぬけの碑」の前では献花式が開かれ、関係者約20人が参列し、防災への決意を新たにした。

 碑は梨子沢沿いの広場にあり、災害当時に流された岩が使われている。地元の言葉で土石流を表す「蛇抜け」から名付けられた。参加者は碑の前で1分間の黙とうをささげ、代表者3人が花を手向けた。向井裕明町長は「悲惨な状況を忘れることなく語り継ぎ、災害に負けない町づくりを進めることを固く誓う」とあいさつした。
 例年、町の新入職員も参加している。今年は6人を代表して髙橋香帆さん(22)が献花した。木曽町出身の髙橋さんにとっても、当時の自分とほぼ同年代の犠牲者が出た梨子沢の災害は記憶に残っているといい「悲しみや教訓を忘れず、町職員として災害対応時は迅速に動けるよう気を付けたい」と話していた。