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田植え機で草取り楽々と 筑北村 坂井の北郷俊明さん 装置を開発 特許申請 

北郷さんが開発した田植え機の植え付け部分に装着して使う〝そり〟状の草取り機

 筑北村坂井で無農薬・無肥料農業に取り組む農家の北郷俊明さん(59)が、田植え機を活用して水田に生える雑草を抜き取る装置を開発した。手間が掛かり除草剤に頼りがちな草取り作業を、出番が限られる田植え機に独自装置を取り付けて動かすことで、米作りの負担軽減と無農薬につなげる発想。今春に特許を申請し、年内にも商品化して販売を目指す。

 スノーシューにも似たツメが付いたソリ状の装置で、田植え機後部の植え付け部に装着して使う。苗と苗の間を進む装置のツメが熊手のように水底を引っかいて雑草を根こそぎ抜き取る仕組みだ。水田を進む田植え機が、田植え作業時に水底に付いた〝わだち〟に沿って自動操縦のように進む性質を生かしており、動力型の水田除草機に比べ操縦が容易で苗も傷付かないという。
 元庭師の北郷さんは、平成26(2014)年に福島県から移り住んだ。自然に関われる仕事をしようと無農薬の農業を始めたが、重労働な草取り作業がネックに。専用農具もあるが田んぼを歩く苦労は変わらず、乗用機械は高価なため、自ら低コストで負担が少ない理想の草取り機を開発しようと考え、田植え機の活用を思い付いた。
 乗用機械より安い10万円台での販売を目指す。北郷さんは「シンプルで誰でも使える装置を目指した。作業の苦労を減らし環境にも優しい農業につながれば」と話す。詳しくは専用ホームページへ。