地域の話題

信大生が浅間温泉にバー バイト仲間3人が土曜開店

来店客と談笑する(左から)齋藤さん、佐々木さん、塚田さん

 信州大学の学生が、浅間温泉にバー「ASAM(アサム)」を開店した。「浅間温泉に夜の街のにぎわいを取り戻したい」との思いで、旅館のアルバイト仲間3人で開店にこぎ着けた。「地元の人と観光客が交流する場をつくりたい」という言葉通り、初日から多くの地元住民や観光客が訪れた。

 経法学部4年の佐々木琢馬さん(21)と大学院医学系研究科1年の齋藤祐斗さん(23)、理学部3年の塚田光砂さん(21)の3人で開店した。普段はそば店「つけもの喫茶」として営業している店舗を土曜午後7時~午前0時の間だけ借りて営業する。約50種類のメニューが並び、浅間温泉で栽培されたイチゴを使ったドリンクや松本の地酒、地ワインなど、地元産品にこだわっている。
 発起人は佐々木さん。出身地の京都から移り住んだ浅間温泉で、旅館のアルバイトをし、大学のゼミでは芸術祭開催にも携わった。街に関わる中で以前松本一の歓楽街だったことを知ったが、現在その面影はほとんどない。夜飲食ができる店は5軒ほどにとどまるという。往時をしのぶ声が地域住民から聞かれる中、在学中お世話になった街に恩返ししようとバーの開店を決めた。
 1日のオープン初日は雨にもかかわらず約40人が来店しにぎわった。近くに住む齋藤稔さん(77)は「大学生が頑張っている。地元の人が応援しないわけにはいかない」と若者の背中を押した。
 佐々木さんは「にぎわいを継続するには旅行者と地元の人の関わり合いが欠かせない」といい「自分たちがその仲介役を担いたい」と力を込めている。