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児童の登校見守り18年目 上松の野村武敏さん 1年生から感謝の手紙 県警、県安協も表彰

上松小学校前の交差点で毎朝児童を見守る野村さん。雨の日も欠かさずに立つ(6月30日午前7時40分ころ)

 上松町栄町の野村武敏さん(87)が、上松小学校正門前の交差点で児童の登校を見守り続けて、18年目になる。毎朝、黄色いベストと腕章を身に着けて立ち、児童が横断歩道を渡る時は、黄色い旗を掲げて「おはようございます。いってらっしゃい」と声を掛けて送り出すのが日課だ。先日は児童から感謝の手紙も受け取り、これからの励みにしている。

 野村さんは建築会社を営み、後継者に譲ってからは仲間と共に団体「わくわく楽習塾」を立ち上げた。その活動の一環で、平成17(2005)年に子供の見守りを始めた。当初は「80歳まで続ける」目標で、楽習塾は5年ほど前に解散したが、「毎朝あいさつを交わすとすがすがしい気持ちになる」と今も個人で続ける。
 現在は真冬の時季を除いた登校日の午前7時から1時間ほど行う。自宅で飼っている雌の愛犬・ナナ(14歳)も一緒に子供を見送るときもある。
 6月、上松小1年生の竹原珀君(7)から感謝の手紙を受け取った。色鉛筆で野村さんの似顔絵が描かれて、「雨の日も風の日もいつでもみんなを守ってくれてありがとう」と書かれていた。野村さんは「こういうことが一番うれしい」とほほ笑む。
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 木曽交通安全協会の総会がこのほど、木曽町日義の木曽文化公園で開かれ、野村さんは長年の見守り活動をたたえられ、県警本部長と県交通安全協会長の連名表彰を受けた。
 野村さん以外の受賞者は次の皆さん。
 ▽交通安全功労者=堀賢介(南木曽)櫻井親一(同)稗田喜代子、松島晴雄、福本都志(以上木曽福島)▽優良運転者=田上次夫(南木曽)熊澤雄一郎(同)西田正和(上松)