塩尻市人口 減少ペース加速 市独自予測
塩尻市の将来の人口減少のペースが速まる見通しであることが、市独自の推計で分かった。総人口が6万人を割り込むのが令和22年とみるのは国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による従来の推計と同じだが、市推計では同年で94人少なく見積もる。新型コロナウイルス禍の影響よる合計特殊出生率の低下を加味した結果で、市は人口誘導政策を講じて減少ペースを緩やかにする考えだ。
市独自推計では令和22年の総人口が5万9650人と推計される一方、平成27(2015)年を基準とした社人研による推計は5万9742人だった。
市独自推計は4月に公表された全国の合計特殊出生率(1.42)を踏まえ、社人研と同じ方式で計算した。令和22~27年の5年間の人口減少率は、社人研推計が3.7%であるのに対し、市独自推計では4.3%と見込まれる。
市は子育て支援など人口誘導政策に力を入れており、直近で国勢調査が実施された令和2年の実人口は6万7241人と、社人研推計(6万6297人)を1000人近く上回っていた。市は、今回の合計特殊出生率の低下を加味しなければ、6万人を割るのは令和27年以降と見ていた。
来年度に始まり、9年間かけて実行する市6次総合計画の策定に向け、基礎データを市独自に更新した。市は最新の推計値を基に、政策誘導政策を反映させた「将来展望人口」に基づく「人口ビジョン」を検討し、6次総計画案に盛り込む。
市企画課統計係などによると、出生数は、昭和48(1973)年の835人をピークに減少傾向にある。令和に入ってからは500人前後で、4年は429人だった。
人口推計は先月の総合計画審議会で示され、市議会の6月定例会の一般質問や市議会総合計画特別委員会でも説明があった。