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みこし造り 気を引き締め 来月 水無神社の例大祭 職人が手斧始め 

みこしの用材を手斧で削る中田さん(中央左)と畑口さん(18日)

 みこしを縦横に豪快に転がす奇祭「みこしまくり」で知られる木曽町福島の水無神社で21日、今夏の例大祭に向けたみこし造りが始まる。図面はないため職人の腕と勘が頼りだ。完成まで約3週間、職人2人が腕を振るう。

 祭りの度にみこしを壊してしまうため、毎年新調する。みこし造りの始まりを告げる神事「手斧始め式」がこのほど営まれ、氏子総代ら35人ほどが参列して、1カ月後に迫った祭りの無事を願った。
 みこしの基礎で枠(担ぎ棒)となる長さ4・6㍍のアカマツの角材2本が、境内の作業小屋に据えられた。法被を着た2人の大工が角材の上に立ち、古式にのっとり手斧で小気味よい音をたてて削った。
 造り手の大工は2年連続で務めるのがならわし。中田建築(福島)の中田孝久さん(69)と森本建設(福島)の畑口弘幸さん(59)が昨年に引き続き携わる。中田さんは「みこし造りから例大祭まで、けがなく良い例大祭になるよう心を込める」と気持ちを引き締めていた。畑口さんは「担ぎ手に喜んでもらえるよう丈夫さを意識して造りたい」と話した。
 同神社の例大祭は、7月22日から2日間にわたって行われる。最大の見せ場の「みこしまくり」は23日夕に始まる。