中山霊園の管理道路2区間を開放 高齢者ら墓参しやすく

松本市はこのほど、市営中山霊園(中山)の管理用道路2区間を舗装や拡幅で改良し、一般車両が通行できるようにした。この区画には長距離を歩くしかアクセス方法がなかったが、墓参者の高齢化を受けて利便性向上を図った。
管理用道路は、霊園を清掃する管理車両や墓石を搬入する石材店の車両のみ通行していたが、東西と南北に複数あるうち、傾斜が緩い東西方向の道2区間を一般車両に開放した。
上側の管理用道路約490メートルは舗装されていたものの幅が3メートルと狭かったため、4メートルまで広げた。一方通行とし、墓石の近くに車両を止められる19台分の駐車帯を設けた。下側の管理用道路約630メートルはアスファルトで舗装した。幅約6メートルあり、対面交通や路肩への停車ができる。
管理用道路の改良工事は令和3年度の霊園特別会計5290万円で実施し、昨年度末に上側道路の一方通行を可能とした。市は平成22(2010)年度に策定した霊園の「ユニバーサルデザイン化計画」に基づき、段階的に霊園内の整備事業に着手。28~30年度は経営状況の悪化で事業を停止したが、その後に再開した。車道整備のほかに、急斜面への手すりの設置やトイレ改築、水くみ場の新設・改修などを実施した。
中山霊園は昭和42(1967)年度に第1次造成が始まり、昨年度に終了した第3次造成までに9217区画が設けられた。市環境保全課の担当者は「霊園内は傾斜地が多く、高齢者の墓参が大変だった。管理用道路を開放することで少しでも負担を減らしたい」と話している。