教育・子育て

ふるさと木曽を元気に 高校生が地元産カラマツで消臭スプレー試作

完成したカラマツの消臭スプレーを手にする澤守さん

 松本県ケ丘高校探究科3年・澤守望未さん(17)=木曽町福島=は、探究学習で木曽産カラマツを使った消臭スプレーを作った。新型コロナウイルス禍で活気を失った地元の姿に胸を痛め「活性化したい」と木曽にまつわるテーマにこだわった。多くの協力で完成したことを感謝しつつ、地元での販売を視野に需要などを調査していく。

 1年生の後半に始まった個人研究の一環で、「生まれ育った地元に貢献したい」との思いが原点となる。最初に考えた木曽五木はそれぞれ活用されており、使い道が限られるカラマツを対象に選んだ。先輩の研究例の中にアカマツの消臭スプレーがあり、先行研究をベースに進められることも背中を押した。
 地元森林組合から不用な枝葉の提供を受け、手作り蒸留機で取り出した精油と芳香蒸留水を混合して消臭効果を確認。強烈な刺激臭があったため、ヒノキの虫よけスプレー製造者に相談し、数カ月寝かせると効果は変わらず臭いが和らぐと分かり、30㍉㍑ボトル2本の試作品を完成させた。
 類似製品があるため、本年度は市場調査をして販売の可能性を探る。製造も含め「木曽で完結できれば」と願う。
 探究学習に魅力を感じ、遠距離通学でも同校に進学した。朝6時前に自宅を出て、帰りは部活動にも打ち込み午後9時頃となる日々。地元で繰り返した調査や研究は休日を使って進めてきた。
 澤守さんは「多くの応援・助言のおかげで思った以上の研究になった。さまざまな視点や意見に学ぶ大切さを感じた」と振り返る。大学は社会学系の学部を目指し、将来も「木曽に貢献できる活動をしたい」と見据えている。