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上高地でシカを試験捕獲へ 国立公園内で増加傾向

試験捕獲用のわなを仕掛けるデモンストレーション

 環境省は5日から、松本市安曇の山岳景勝地・上高地でニホンジカの試験捕獲を行う。長野、岐阜など4県にまたがる中部山岳国立公園では近年シカの増加が確認されており、上高地をモデル地域として昨年度に続き取り組む。大正池周辺にくくりわなを仕掛ける。捕獲の必要性に迫られた時の備えや、被害を防ぐ手だてにつなげる。

 5月29日から6月4日までをシカの誘引期間に設定。6月5日から14日までを1回目の捕獲期間とする。大正池周辺に2種類のくくりわなを計20基仕掛ける。22日から7月1日までに2回目を行う。
 報道機関を対象にした説明が6月1日に現地で行われ、くくりわなを仕掛ける実演があった。
 捕獲する時期や効率的な手法を検討し、秋には3回目の試験捕獲を計画する。環境省信越自然環境事務所野生生物課の企画官・百瀬剛さん(55)は「今後シカの生息域を広めないために、しっかり取り組まないといけない。豊かな自然を守る意味でも対策は重要」と話していた。

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