政治・経済

八十二銀・長野銀経営統合 「共創」で地域経済けん引

経営統合を知らせるポスターが張り出された長野銀行本店(松本市渚2)

 八十二銀行(長野市)と長野銀行(松本市渚2)が1日、八十二銀が長野銀を完全子会社化することで経営統合した。預金、貸出金とも県内シェアの約6割を占める銀行グループが誕生した。2年後の令和7年度中の合併を目指しており、両行が持つノウハウや人材を掛け合わせることで地域経済や住民生活を支える新たな地方銀行を目指す。

 両行の各店舗には1日朝、利用者に経営統合を知らせるポスターが掲示された。これまで競合関係にあった両行が今後はサービス向上や金融システム安定のために共に歩む気持ちを込めた「競争から共創」のキャッチフレーズをあしらっている。
 両行は今後、合併に向けた協議を具体化させる。新行名や合併時期は年内に決定時期を明らかにしたいとする。策定した基盤的サービス維持計画では、近隣で重複する店舗を統廃合するなどして効率化を進め、人員を戦略分野と位置づけるデジタル関連事業やソリューション事業に再配置して事業領域の拡大を目指す。
 八十二銀本店で記者会見した同行の松下正樹頭取は「ご不便をかけることもあるかもしれないが、サービスの充実という形で還元したい」と抱負を述べた。長野銀の西澤仁志頭取は「経営統合で可能になった幅広い提案を個人、法人の顧客にしたい」と意欲を見せた。

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