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坂北・青柳区の奇祭「狐の嫁入り」再開厳しく  担い手不足で本年度中止

1年延期の末に本年度の中止が決まった青柳区の「狐の嫁入り」(平成29年3月26日)

 筑北村坂北の青柳区で7年目に一度行われる里坊稲荷神社の行事「狐の嫁入り」について、区は27日に臨時役員会を開き、来年3月に予定していた本年度の行事を行わないと決めた。「今後のあり方は来年度以降の区役員に託す」として、「廃止」ではないものの、次回については時期なども含めて未定とした。住民の高齢化や転出による担い手不足が中止の原因で、約100年続くとされる奇祭が今後、青柳区主体で再開される可能性は限りなく少なくなっている。

 会合には区公民館に三役と常会長、祭典委員ら14人が集まった。4月に区内全60戸を対象に実施した住民アンケートの結果(回答は35戸)について、「現状では実施できない」が35戸に上り、「実施したい」の10戸を大きく上回ったと報告した。
 一方、自由回答の意見には「村や外部(協力者)への発展」や「歴史や手法の明確化(調査・記録)」を希望する内容が寄せられた。これを受けて、区は行事をいったん中止とした上で、将来的に再開できるようマニュアルのとりまとめを祭りの保存会に依頼する方針を固めた。
 峰村佳秀区長(75)は「やりたい思いもあり寂しい。開催できない現状を超える"パワー"がほしい。最低でもマニュアル化し伝承していければ」と話していた。