松本市支援の移住者 昨年度最多に 社会増施策積極展開へ
松本市に昨年度、行政のサポートを受けて移住した人が、過去最多の45世帯・90人となったことが、市移住推進課のまとめで分かった。同課に相談したり、移住支援の補助金を受けたりした市民の人数で、実際に市外から移住した人はさらに多い。市は人口定常化につながるとして、本年度は子育て世帯を対象に移住支援金を大幅に引き上げるなど、移住者を増やす施策を展開する。
直近5年間の移住者は平成30(2018)年度が18世帯・38人だったが、令和元年度は42世帯・67人と倍増した。新型コロナウイルスの感染が拡大した2年度は22世帯・50人にとどまったが、3年度は39世帯・85人に増えた。
市のまとめだと、今年1月1日時点の松本市の人口は23万6447人で、前年に比べて521人減った。出生と死亡の自然増減が1262人の減だったが、転出と転入の社会増減は741人の増で、市外からの移住が人口減少を抑えている。
市は移住を促すために、県などと協力して東京都や大阪府などで移住セミナーを開催し、実際に移住を希望する人のために、教職員住宅をあっせんする「短期限定住宅貸し付け事業」を行うなどしている。
市内5カ所の教職員住宅に1~3カ月入居でき、新居や職探しなどをすることができる。一定の条件を満たす大都市圏からの移住者には単身世帯で60万円、2人以上世帯に100万円を補助し、18歳未満の子供がいる世帯には1人当たり100万円(昨年度は30万円)を加算する。
移住者の増加について、臥雲義尚市長は「税収増という直接的なメリットはあるが、それ以上に各地区のにぎわいと活力を生み出す。移住につながる住まいや教育などの施策を推進していく」と話している。