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上松町がデマンドタクシー導入へ 吉野・焼笹線で実証運行

デマンドタクシー実証運行など本年度の事業計画が承認された協議会

 上松町は7月、コミュニティーバス路線「吉野・焼笹線」の一部でデマンド乗り合いタクシーの実証運行を始める。同路線は、過疎化・高齢化で利用者が大きく減少し続けている。自宅前から主要公共施設を結ぶことで利便性を高め、高齢者の外出促進や送迎する家族の負担軽減につなげたい考えだ。

 デマンドタクシーは会員登録制の公共交通機関で、事前登録した利用者の予約に応じ、運行経路や運行時間を設定して乗り合いで運行する。
 実証運行では、火・木曜の午前9時~午後2時半、路線上にある見帰・寝覚・吉野・島・小田野・西中・台・西奥の8地区の住民が、自宅前とJR上松駅、町役場、町公民館の3カ所の行き来に利用できる。運賃は中学生以上が片道一律500円、小学生同300円。未就学児は無料。
 小中学生が登下校に利用する早朝(午前7時台)と夕方(午後3~4時台)の便に限り、定時定路線バスは現行通り継続する。
 コミュニティーバスは3路線あるが、吉野・焼笹線の利用者の減少幅が最も大きい。平成20(2008)年度は1600人ほど利用者がいたが、昨年度は200人しかいなかった。1便当たりでは0・3人で、町住民福祉課は「空気を運んでいると言われても仕方ない」と肩を落とす。「バス停まで行くのがつらい」という声が町に寄せられており、初導入のデマンドタクシーに期待を込める。
 本年度末までの実証運行後、対象エリアや運賃などを検証し、来年度中の本格導入を目指す。町住民福祉課の上小路真寿美係長は、公共交通空白地帯の解消も将来的に可能性があるとし、「少しでも高齢者の足の確保につながり、たくさんの人に使ってもらえたら」と話す。
 今月下旬から来月にかけて回覧で周知をすると同時に、対象地区で住民説明会を実施する。問い合わせは同課(電話0264・52・2001)へ。