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植物学者・牧野富太郎の故郷の花 ムサシアブミが松本で咲く

馬具の鐙に似た花が特徴のムサシアブミ

 ガス・水道メーター製造の東洋計器(松本市和田)の本社敷地内にある「らいちょうの森」で、サトイモ科の多年草・ムサシアブミの花が今年も咲いた。NHKの連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者・牧野富太郎の故郷である高知県佐川町にゆかりがある株だ。乗馬をする際に足を乗せる鐙に似ているとされる不思議な花で、社員の目を楽しませている。

 同社の土田泰秀会長(73)が四国に赴任していた40年前、佐川町の青果店で株を購入した。当初は自宅で育てていたが、本社移転を記念して整備した森の樹木が大きく育ったため、20年前に移植した。寒冷地には不向きな植物だというが、落ち葉が保温材になり順調に冬越しができている。
 ムサシアブミは牧野さんの業績を伝える牧野記念庭園(東京都)にも植えられているという。土田会長は「牧野さんの故郷にあったものなので不思議な縁を感じる。この地を気に入ってくれたようなのでうれしい」と話す。

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